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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

大きないびきをかいて寝られている方、または周りにそのような方はいらっしゃいませんか。

「気持ちよさそうに寝ているから良いかな。」
「いつもそうだから、大丈夫。」

実は、大丈夫じゃないかもしれません。
一時的に呼吸が停止(睡眠時無呼吸)になっている可能性があり、いびきをかく人に多い『睡眠時無呼吸症候群』という命の危険がある病気かもしれません。

「そんなに怖いの?だったら、どうしたら良いの?」

それでは一緒にいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)についてお勉強をしていきましょう。
そうすれば、睡眠時無呼吸症候群の対策の他に睡眠の質も良くなるかもしれません。
ぜひ学んでみてください。

いびきの原因って何?

まず、睡眠中に体の筋肉ってどうなるんでしょうか。
実は全身の筋肉もお休みをしています。
もちろん、お口の中の筋肉もお休みをしてしまい、軟口蓋や舌を支える筋肉も緩んでしまいます。
仰向けで眠った時に緩んでしまった軟口蓋や舌が、上気道という呼吸の通り道まで垂れ下がってしまい、上気道を狭めてしまいます。
そして呼吸をしようとした空気が、狭まった上気道を無理やり通ってしまうときに起きる音が、いびきです。

いびきをかかない人
呼吸の通り道が塞がれていません。
ゆっくりと眠る事ができそうです。

いびきをかく人
呼吸の通り道が狭そうです。
この状態だと酸素が通りにくくなって足りなくなり、睡眠の質が下がり、もしかしたら一時的に呼吸が止まる可能性もあります。
そして睡眠時無呼吸症候群になってしまう事もありえます。

いびきをかく人ってどのくらいいるの?

慢性的にいびきをかく人は何と!2000万人以上と考えられています。
歳を取っている人・太っている人・男性に多い傾向があります。

睡眠時無呼吸症候群の人ってどのくらいいるの?

全人口の2~4%、すなわち日本では200~400万人の方が患っている可能性があります。
1時間で5回以上、呼吸をしていない・呼吸が弱い場合、睡眠時無呼吸症候群と診断される可能性が高いです。

睡眠時無呼吸症候群の症状をもっと知りたい

睡眠時無呼吸症候群の方は活動時(昼間など)に極度な眠気があります。
また、睡眠中にキチンと呼吸ができていない為、血圧の上昇・血液の凝固(血栓など)になりやすくなってしまいます。
他にも低酸素血症(動脈を流れている血液に酸素が足りない状態)や、高炭酸ガス血症(必要なくなった血液中の二酸化炭素が溜まってしまった状態)になってしまい、様々な合併症を起こす可能性があります。

睡眠時の症状
●いびき(いびきが止まり、深い呼吸をした後に、またいびきをかく事もあります。)
●呼吸の乱れ(呼吸の停止・むせる)
●目が覚める(不眠症・トイレが頻回になる(2型糖尿病になりやすくなります。))

活動時の症状
●熟睡感が無い(たくさん寝ても)
●頭痛
●強い眠気(疲労感・だるさ)
●集中力の低下(記憶力が悪くなる)
●突然、意識がなくなる

その他の症状
●肥満
●性機能低下や月経不順

合併症
●多血症
●高血圧(不整脈)
●虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
●糖尿病(高脂血症)
●脳卒中(脳梗塞)

その他に、突然死する方もいらっしゃいます。

睡眠時無呼吸症候群の種類って何?



睡眠時無呼吸症候群は主に2つのタイプがあります。

閉塞性(obstructive)
いびきをかくタイプ。
仰向けに眠った時に重力の影響で、軟口蓋や舌が緩み上気道まで垂れ下がってしまって、気道を狭めてしまいます。
健康な方は呼吸に影響を及ぼしませんが、歯や舌のバランス、肥満で脂肪が付いていたり、もともと気道が狭い方など、何らかの事情でもっと気道が塞がってしまうと、呼吸がし辛くなるばかりか完全に呼吸ができなくなってしまいます。

中枢性(central)
いびきをかかないタイプ。
「呼吸をしてください」という脳の信号が出ていない睡眠時無呼吸症候群です。
詳しい事はまだ分からない状態で、脳にある呼吸の司令塔に異常があると考えられているそうです。
その他に、混合型という閉塞性と中枢性を合わせたタイプもあります。

睡眠時無呼吸症候群かもしれない。どうしたら良いの?

最初に、病院(耳鼻科など)で医師の診断を受けてください。

閉塞性の睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、歯科での治療が可能になります。
中枢性の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、歯科ではなく医師の治療となります。

「睡眠不足なだけかもしれない」と医師にかかるのを不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群は睡眠障害国際分類(ICSD)睡眠異常という病気となっております。(不眠症と同じ分類です。)

睡眠時無呼吸症候群って、どうやって診断されるの?

病院などに受診したとき、まずは問診や生活習慣病の診察を行います。(ESS眠気テストなど)
それによって、睡眠時の呼吸に何かしらの障害があるかもしれないと診断された場合は、簡易型検査装置により検査が行われます。
簡易型検査装置によって、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと診断された場合は、睡眠ポリソムノグラフ検査(PSG)によって睡眠中の無呼吸・低呼吸を測定します。

例:睡眠ポリグラフ検査による睡眠時無呼吸症候群の場合




下記にESS眠気テストの引用をしております。
11点以上の場合は、強い眠気があると診断されます。



■引用元
JESS™ (Japanese version of the Epworth Sleepiness Scale)
ESS 日本語版


医師から閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と診断された場合は?

当院では対処療法として、上下一体型スリープスプリントを作成します。
睡眠時に上下一体型スリープスプリントを装着する事により、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS: Obstructive Sleep Apnea Syndrome)でいつもとは質が違う睡眠を得る事ができます。


※上下一体型スリープスプリント(イメージ画像)

上下一体型スリープスプリント(以下、スリープスプリント)って何?

あなたの歯の形に合わせて作られるオーダーメイド制で医師から閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された後に作成する事ができます。
形は、ボクシングで使用されるマウスピースを思い描いてくだされば分かりやすいかと思います。

Q1「値段が、高いんじゃないか?」
A1「保険が適用されます。(睡眠時無呼吸症候群の診断書があれば保険内での睡眠時無呼吸用スリープスプリント(マウスピース)の作成が可能です。)」

Q2「違和感があるんじゃないか?」
A2「違和感が少なくなるようにオーダーメイドで作られます。」

Q3「顎が痛くなったり、開け閉めが上手くできなくなるんじゃないか?」
A3「オーダーメイドで作られるので、顎への負担も少なくなります。」

Q4「作るのにどのくらい時間が掛かるのか?」
A4「完成までは、3回程の来院と2週間程度の時間が掛かります。他にも歯や口腔の状態は変わり易いため、定期健診が必要です。」


スリープスプリントを付けるとどうなるの?

下顎を少し前に出した状態で、スリープスプリントを作成します。
そうして作られたスリープスプリントを、睡眠時に装着する事により、軟口蓋や舌が固定され上気道が広がり、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸症候群を防ぐ事ができます。
質の良い睡眠がとれるようになり睡眠時無呼吸症候群の症状から、かなり解放されるかと思います。
また、持ち運びも簡単で、どこでも使用する事ができます。

以下の患者様の場合は、通常よりも長期の経過観察が必要となる場合があります。
鼻から呼吸ができない疾患をお持ちの方
歯周病や顎関節症を患っておられる方
成長期のお子さん(歯列への影響などを考慮します。)

スリープスプリントを作成するまでの流れが知りたい。

受診1回目:口腔内の検査
現在の症状、歯周病や虫歯などの有無、歯型や噛み合わせの採取、口内清掃をします。



受診2回目:仮のスリープスプリントの装着
違和感がある場合などを調整し、注意点などをご説明します。



受診3回目:スリープスプリントの再調整
問題が無ければ、完成です。問題がある場合は、更に期間が伸びる可能性もあります。

いびきが酷い為、保険外でもスリープスプリントって作れるの?

作る事ができます。(医師から閉塞性睡眠時無呼吸症候群との診断が無い場合)
いびきで他の方に迷惑をかけているんじゃないかと考えてしまったり、睡眠時無呼吸症候群ではないけれど症状を気にされる方は多数おられます。
もし、悩まれている場合は一人で悩まずに、ぜひお気軽に相談してください。

スリープスプリントを付けていれば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は治るの?

スリープスプリントは閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因を断つための治療ではなく、対症療法(症状を軽減するための治療)です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群を治したい場合は、本来の原因を治さないといけません。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群はどんな人がなるの?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群になりやすい方は、肥満の方です。(内臓脂肪型肥満の方が多いです。)
生活習慣の改善をし、体調管理をしっかりする事で減量ができ、結果、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因になりやすい喉周辺の脂肪が減っていきます。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠時間が短くなりやすいですが、睡眠時間が短いと肥満になりやすくなってしまうデータもあり、悪循環を起こす可能性があります。

また肥満は閉塞性睡眠時無呼吸症候群だけではなく、数々の深刻な病気を発症してしまう可能性があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群にならないために、また治すためにはどうしたら良いの?

生活習慣の改善を心がけます。

良質な睡眠をとる。
いびきをかいている場合は、スリープスプリントを付けるなどの対症療法をし、安眠をしましょう。

ストレスの改善。
健康な状態では心も健康になりやすくなります。
決められた時間にご飯を食べたり、決められた時間に睡眠をとったりするなど、生活習慣の改善を心がけましょう。

健康的な食事をとる。
間食や暴飲暴食は控え、栄養をバランスよくとり、よく噛む事が大切です。

適度な運動をする。
健康の維持に必要な消費カロリーは1週間で2000Kcal(1日だと300Kcal)だと言われています。
急激に痩せようとして無理な運動をせず、自分にできる範囲で適度な運動を心がけましょう。

呼吸に関係する筋肉を付ける。
仰向けに寝た時に、軟口蓋や舌の筋肉が緩み上気道まで垂れ下がって、気道を狭めてしまうと、いびきをかきます。
口の周りや、呼吸に関する筋肉を鍛えれば閉塞性睡眠時無呼吸症候群になり難くなります。
口腔筋機能療法(MFT)で、正しい舌の動きや口周りなどの筋肉の訓練をしましょう。(ご相談ください。)


羽衣歯科クリニックでは、健康的な生活を送るため、皆様の生活のサポートできるような治療をしております。
睡眠時無呼吸症候群の症状(いびきや昼間の過度の眠気など)に心当たりのある方は、お気軽に相談ください。


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